2008 |
05,16 |
«5月16日»
今日は夕方からエステの予約をしたので、午前中からバーデに行く。二時間半ほど。
『アフリカの日々』を最後まで読んだ。前半の動物たちの美しさもいいけど、やはり後半がすばらしい。
デニスが事故で死に、農園経営に失敗してついに手放さねばならなくなったあとで、「いまは自分を甘やかす時期ではない。」と思うあたり。
「ついに立ち去る日がきたとき、私はひとつ奇妙なことを学んだ。自分では想像もつかないようなことが、この世ではおこり得るのだ。」
*
ここで見た人物点描。
メインダイニングにて、夕食時。
自分の席がどこかわからなくなり、お盆に食べ物を満載したままうろうろする老人。
満載のお盆をひっくり返してしまう老人。
お年寄りにはビュッフェは大変であるということを学ぶ。
若い男女のカップル。女は黒いスリップドレスだが、小柄でうすっぺらい体つきのため、一瞬小学生が下着で来てしまった、ように見えてやや異様。
ざわざわした場所なのに、食事中ずっと男の声が馬鹿でかい。
女の声は全く聞こえない。
朝食も一緒になったが、朝から彼の声はでかかった。
バーデにて。
中年の男女のカップル。女がはしゃぎすぎていて、異様。
男はゆるみきった体に、ちっちゃなビキニを穿いているが、黄色いビキニであるせいで、ぱっと見ると全裸に見えて、これまた異様。
女の水着は黒地にショッキングピンクの花柄。
外のゾーンで女が男に水のなかでお姫様抱っこされて、きゃーきゃー言っていた。
このカップルは男の声は全く聞こえず、女の声ばかり響いていた。
外国人の五歳くらいの女の子。しましまの薄いピンクのつなぎの水着。頭の両側でちょこんと金髪を結んでいる。
ものすごくすばしこい。
いろんなプールを走り回ってどんどん移動する。
ママがずーっと名前を呼び続け、「wait!wait!」と言いつづけていた。
歩行浴ゾーンにて、白髪の老人(男)。一緒に歩いている女はかなり若く、初め孫か娘かと思っていたが、観察した結果どうやらカップルらしかった。
老人は、首にシルバーのネックレス。女は色白できれいな顔立ちだが派手な感じではない。
男「足がいたい」としかめ面だが、女に「がんばって」と励まされて無理やり歩いている。
「これかなりの運動量だよ、はあ」
「そうね(ぐんぐんはりきって歩く女)」
*
エステでハワイアントリートメントを受けたあと、しばらく部屋で休んだ。
テラスの前に椅子を置いて、海に出ている小さな白い舟の行方を追った。
少しずつ暮れて、光の量が減り、景色全体が白っぽくなった。