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マルタ島の日々

錦見映理子の旅日記
2017
08,20

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2008
05,15

«5月14日»

起きたら雨がざーざー降っていた。


いつも通り九時に朝食をとりに行く。
今朝は、レタスの炒飯がおいしかった。


ここにいる間は、昼食はとらない。朝も夜もビュッフェでたっぷり食べるため、昼食べなくても大丈夫なのだ。


部屋に帰って、今日はうたたねしないようにすぐパソコン持ってライブラリーへ。
ここのライブラリーは、パソコンコーナーと、一人用の仕切られたデスクがいくつかと、ビデオを貸してもらって見られるコーナーとがある。
ビデオコーナーには、モニターの前に二人くらいで座れるゆったりした椅子が備え付けられているブースがいくつかある。
私はいつも延長コードを貸してもらって、一人用デスクでパソコンを使ったり、本を読んだりしている。


図書室なので、一応私語は禁止になっている。
しかし今日はビデオコーナーから、むーむむーむーむー、と何度か鼻歌が流れてくるのだった。
そして、時折「あはははは」という笑い声。
しまいには、ぐすっぐすっと鼻をすすり、泣いている気配までするのだった。
そして「ありがとうございましたー」と受付のひとに明るくビデオを返すおじさん一名。
いったい何を観ていたんだろう。。。。


一時間半ほどで部屋に戻り、午後二時にバーデ。
今日は二時間半もバーデにいた。
ノートを持ち込み、メモをたくさんとった。水蒸気で、少しノートがよれよれに。


『アフリカの日々』を読み継ぐ。
これは映画の原作になった本だが、映画では恋愛関係にあったデニスは、この本では恋人かどうかわからない。
でも、デニスがカレンと一緒にいるとよくライオンに出会った、というエピソードはすてきだ。
デニスが何ヶ月に客を引率しても、ライオンに会うことができなかったりするのに。
二人がしょっちゅう飛行機に乗って大地を見下ろすエピソードも、ダイナミックで、いい。


今日の夕食で心に残ったもの。
地鶏のグリル、グリーンピースソースにキャラメリゼした胡桃添え。
香ばしく焼いた鶏の味がぎゅっと凝縮されていて、グリーンピースの甘みがほんのり。最後に胡桃を食べると、かりっと軽くて苦味のある甘さが口にうれしい。

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2008
05,14

«5月13日»

昨夜遅かったので、また今朝も眠い。
そこはかとなくおなかが痛い。

それでも朝食はよく食べる。おなかがぱんぱんにならない程度に、加減して食べる。
フレッシュマンゴージュース、サラダは今日は和風ドレッシング。
昨日は洋食にしたので今日は和食にしよう、とおぼろ豆腐、温泉卵、鯵の干物、温野菜、茶碗蒸し、しらすおろし、などをトレイに並べる。
昨日の雑炊もまた作ってもらい、最後はいつものフルーツとヨーグルトにミルクティ。

窓際の、もっとも眺めのよい席に案内してもらったので、ゆっくりお茶を飲みながら景色も楽しんだ。
レストランは右側がガラス張りになっていて、柱が席の間に立っている。
ガラスに添って設けてある席に座ると、前後の席の人は柱の陰に隠れて見えなくなるから、ゆっくりした気分で景色と食事を楽しめる。
今朝は靄がすっきり晴れて遠くの街が見下ろせた。ここは小高い山の上にある。


部屋に戻ってまたうとうとしてしまう。中国で大地震があったことを、テレビが告げているのを遠く聞いていた。


お掃除をフロントにお願いしてから、パソコン持って12時ごろライブラリーへ。
一時間半ほど、ネットしたりアイデアをメモしたりする。
堀井和子『小さな家とスイスの朝食』を持ってきたのは正解だった。気軽に開いたところから読めるし、差し挟まれている写真が美しい。
書くのに疲れると、本を開いて休憩した。
この本のすてきなところは、食べ物がとにかくおいしそうに書かれていること。
レマン湖畔のレストランの、給仕のすばらしさ。スイスのホテルの朝食の、サーブのされかた。おいしさというのは、料理そのものだけのことではないのが、よくわかる。


「銀のポットに香りのいい紅茶と、別に熱湯、ミルクのポット。フレッシュな絞りたてのオレンジジュース、グレープフルーツの実をそのジュースに浸してミントを添えたもの。大きな長方形に切ったバターがお皿に。グリュイエールやエメンタール、ブリーなどのフロマージュも並ぶ。」

14時ごろ部屋に戻って、窓を開いた。鳥の声が、チチ、と聞こえる。
よく晴れている。

15時半から17時くらいまで、バーデ。すいている。外のゾーンをひとりじめ。

デッキチェアで本を読んでいたら、「ワーオ」とか「オウ!」といったような、日本語の発音とはすこしちがった母音の高い嬌声がいっせいにドーム内に響いて、振り向くと外国人女性が10人ほど、真ん中の運動浴コーナーで、突然降ってきたシャワーを浴びていた。
運動浴ゾーンでは、定期的に、天井に届きそうなほど高く、噴水のようなシャワーが上がって、落ちてくる。知らずにのんびり浮いていると、場所によってはもろに頭からシャワーを浴びて、ずぶぬれになる。

よく見るとかなりお年召した女性もいるのだが、外国人は水着も華やかだし何より体つきが華やかだ。
肌も白や小麦色やら多種多様だし、髪の色も金色や栗色、目の色も青やグレイ、とにかく目に楽しい。


今日の夕食で心に残ったもの。
アンディーブのブレゼ。
口に入れると、ほのかにオレンジの風味。
アンディーブって、そんなに味のしないもののような気がするけど、アンディーブ自身の苦味と、オレンジの皮の苦味が絶妙に重なって、なんとも言えないおいしさだった。下味は、うすーいコンソメ。

2008
05,13

«5月12日»


八時すぎに起きて、九時ごろ朝食をとりにメインダイニングへ。
あまり空腹を感じていなかったのに、フレッシュのマンゴージュースを飲んだらおいしくて回復。
サラダ、ミネストローネ。ハッシュドポテトとベイクドトマトにベーコンを付け合せにして、スクランブルエッグも残さず食べた。
ごはんは入りそうになかったので、目の前で仕上げてくれる鯵フレーク入りの雑炊を一膳。これが風味よく、とてもおいしかった。
ヨーグルトとフルーツをデザートにして、ミルクティをゆっくり飲む。


今日も曇っていて、風が強そうだった。

部屋に戻ったら眠くなり、そのまま一時間ほど眠る。


正午から二時間ほどバーデで過ごす。
外のゾーンに出たら、すいていて2、3人しかいない。広い空。
開放感でたまらなく気持ちよく、水が弱めに流れているエリアで、プールの縁に腕を預けてゆらゆら流れに身を任せる。海草になった気分。
デッキチェアでうとうとする。まどろむって、なんて気持ちがいいんだろう。
今日は昨日みたいにアイデアが浮かんだりすることは無く、ぼんやりしてばかり。
本を読んでもすぐ眠くなったりしてしまう。


部屋で少し休み、15時半からエステ。
ローズとローズウッド、ネロリをブレンドしてもらうことを、カウンセリングのときに決める。
ほぼ全裸で、色白のきれいなお姉さんにくまなくマッサージしてもらい、全身オイルまみれになる。
施術後、タオルにくるまれてしばらく放置される。赤外線をあてられてるせいもあると思うけど、マッサージとオイルの効果で体中ほかほかしている。
どこもかしこもしっとり。あれだけオイルを使えばこんな肌になるのだなあ、と思う。


帰るまでにもう一度行こうかな。


夜、温泉の露天風呂に入ったら、かすかに雨が降っているのに気づいた。気にならない程度だったし、誰もいなかったので露天風呂独り占めできて良かった。今日は、ビジネスで来ているのか、大量の欧米人が夕食のときにいて、普通の宿泊客は少ないみたいだったから、温泉がすいていて、いい。(外人は温泉にあまり入らない気がする)


部屋に帰ってきて窓を開けると、雨が強くなっていた。窓を閉めると、雨音はあまり聞こえないが、深夜、かなり強く降っていたようだった。

2008
05,13

«5月11日»

波頭が白く立っている。
三ヶ月ぶりに海を見た。
電車の窓から、曇天の下にひろがる海を見た。

出るときに降っていた小雨は、着いたころには止み、かすかに時折あかるい光が射した。


部屋でしばしコーヒーを飲みながら本を読んだ。
『アフリカの日々』は何度も拾い読みをしてきた本だったが、巻末に訳者によるアイザック・ディネーセンの来歴が書かれた文章があるのに初めて気づいた。
北欧の名家に生まれ、またいとこの男爵に嫁いでアフリカに渡った人。夫に梅毒を遷され、離婚し、それでも「ブリクセン男爵夫人」を名乗り続けた。
『アフリカの日々』には、ほとんど夫であった男爵のことは出てこない。
「アイザック」という男名前でこの本を発表した人。アフリカという異文化と美しい自然のなかで、何度も生き直したであろう人。 


16時半ごろ、バーデに行った。
ドーム型の高い天井まで、うっすらと蒸気がたちこめている。
「の」の字のかたちの歩行浴ゾーンで、ゆっくり何度も歩く。ジェット気流が出ている外のゾーンで、山の端に近い空を、見ていた。今日は曇っていて、夕焼けは見られない。
ドーム内に戻って、ゆりかごのように一人ずつ寝そべることのできるゾーンへ。手すりにつかまりながら、ぶくぶく泡に包まれてぬるま湯ほどの温度の水に浸かる。
正面のガラス越しに、大きな木がそよいでいる。


晴れていれば日光浴するのに適した、外に面して置いてあるデッキチェアに寝そべって、思いつくままぼんやり考え事をした。
浮かんでは消えてゆく、想念のようなもの。海と空の境目が、今日はよくわからない。空は上には黒っぽい雨雲が少し残っていて、中ほどはうっすら白い帯のような雲が横に何層か伸びている。


夜、温泉に入ったあと、部屋のテラスに出て、外を見た。
左から、オレンジ色の光の曲線が、視界のちょうど中央あたりまで延びている。海沿いに、道路が走っているのだ。
曲線が途絶えているあたりに、時折大きく、ちかっちかっと光る点があるのは、灯台だろう。
昼間は、そのあたりに岸は見えず、全て海のように見えていた。

2008
02,16

最後の日。帰りたくない。

ここでの過ごし方。9時から1時間ほどかけて朝食をとり、休んで11時から14時くらいまでバーデで過ごす。
部屋に戻ってベッドで休憩しながら本を読んだり、ぼんやり海の景色を眺めていると、日が落ちて、まもなく夕食。
19時から1時間半ほどかけて食事をし、夜は腹ごなしにテレビを見たり本を読んだり。22時半ごろ温泉に入りに行く。
といった日々だった。

昨日はジュゴンが来た。
『分別と多感』て翻訳タイトルは良くないね、と話す。何がいい?と聞くと「常識と情熱」と、ちゃんと韻を踏んでいるしそっちのほうがずっといい、と思う。(原題はsense and sensibility)

二日目だけ終日雨だったが、あとは快晴。
最後のディナーのとき、顔を覚えていてくれたボーイさんが夜景がよく見える席に案内してくれて、「二月は一番空気がきれいで景色がよく見える」と話してくれた。
部屋から見える陸地の、どの部分がどこなのか、教わる。

最後なので、今日は思い切って初めてエステサロンにも行ってみた。午前中予約して、全身を60分。
紙のパンツというものを、初めて穿いた。(あかちゃんのとき以来!?)
バスローブを脱がされても暗いし気持ちいいしで、全然恥ずかしくなかった。
とにかくあんなに気持ちよいものだったとは。早く行けばよかった。次もぜったい利用しよう、と思う。いろんなコースがあるから楽しみ。
ホホバオイルまみれだったのに、遠赤外線をあてられて浸透させるため放置されて眠っていたら、すっかり全身しっとりつるつるになった。クリームとか乳液をつけるのとは全く違う気持ちよさ。
うちでもお風呂あがりにホホバオイルまみれになってバスローブでしばらくおいたら、こんなふうにしっとりして気持ちいいかも、やってみたいと思うが、ホホバオイルってけっこう高いから自分であんなに贅沢に使えるか、微妙。

だるくなったので部屋で横になって休んでから、夕方からバーデ。外のゾーンで温水の泡につつまれて浮かびながら、夕焼けをずっと見ていた。雲が金色からオレンジ、そして最後薔薇色に染まった。自然の色って見飽きない。

やろうと思っていたことのほとんどはやらずに休んでばかりいたが、すばらしい休暇だった。

帰ったら五百ページの本の校正が待っている。ずっと休みが無かったせいで、ここのところものすごく仕事が嫌になっていたが、解消されたかな。

2008
02,14

«水と舟»

午前中バーデに行くと、すいてて快適だということがわかった。

三十分おきに、ジェットに脚やら背中やらをもまれたり、歩行浴ゾーンで歩いたり、する。
休憩中に本を読む。結局、金井美恵子ばかり読んでしまっている。精神状態が、それほど家にいるときとは変わっていない模様。金井美恵子を読んだあとにオースティンを読むと、あまりに身も蓋も無い大雑把な書き方に、ついていけない。それが面白いはずなんだけど、今は細部が気になるらしかった。

水と舟をテーマに、歌をすこし作る。

なんだかからだがまだ水のなかで揺れているような感じがする。

またジュゴンの夢をみて、あけがた目覚める。似たような夢だ。
なぜここに来て、何度もこんな夢をみるのかよくわからない。
深層で思っていることが表面化しているのか、ストレスを解消するための夢なのか、自分でもいずれか決めかねる。

2008
02,12

«星の夜»

夕刻、白い絵の具を浸した大きな筆で、アクアブルーの色画用紙の上をかすかに擦ったように、東から西に雲が広がっていた。

鳶が旋回している。

遠くから、ピーヒョロロ、と鳴き声がする。

海の上には、小さく、舟がいくつか浮かんでいた。

バーデの外のゾーンで、湯といってもいいような温度の水に浸かりながら、流れるプールで流されないように淵につかまって、山の端のひかりを見ていた。

プールサイドで、オースティンの『分別と多感』を読みはじめた。アン・リーが映画にした「いつか晴れた日に」が好きなのだが、読むのは初めて。文庫になったので読みやすい。


夜は星がよく見えた。オリオン座の、まんなかあたりにある小さな銀河のようなものまで。

星をみると淡路に行ったときのことを思い出すようになってしまった。

あけがた、夢をみた。
またジュゴンが私を裏切る夢だった。あんなことあるわけないのに、夢のなかの私は「やっぱり」と思っていた。たぶん強い感情のために、目が覚める。いやだなあと思いながら、まあそれだったらそれでも別にいいけど、と夢からさめた私は妙にさっぱり思い、ふたたび眠った。

2007
11,08

«浮かぶ»

夕刻、やっと仕事の終わりが見えてきて、プールに休憩に行く。

温泉水利用のバーデゾーンで、歩いたり、浮かんだり、泡にかこまれたり、する。

ジェット気流に体中つつまれて寝そべって、空を見ていた。

今夜、星はみえるかな、と思いながら。

こないだ島に行ったとき、深夜、ジュゴンに呼ばれて星を見たことを思い出した。


夜、テラスから空を見ると、雲の切れ間からいくつか星が見えた。オレンジ色の星が、ひとつ。あとはかすかな光が三つほど。

左の遠景に、海岸線がゆるいカーブを描いて光っていた。
遠い光をみていることがその夜のすべて、というような夜がある。
2007
11,06

«遠景»

朝から曇っている。

遠くに海の見える部屋で、仕事している。ときおりテラスに出て、空と海を見る。遠くを見ることは、こころをしずかにする。

昨日ジュゴンが来て、遅くに帰った。

ずっとのぞんでいてかなえられなかったことを、かなえて帰った。

人と人はふしぎだ、と思う。そばにいるような気がするのに遠く、遠くにいるようなのに近かったりする。

それと、時間のこと。時間がたつにつれて近くなるのか遠くなるのか。

夕刻、空に蛇のような雲が何本も横長に伸びて、その隙間にかすかに青空が見えた。海は凪いでいる。遠いから凪いでみえるのかもしれなかった。

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錦見映理子(にしきみえりこ)
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非公開
自己紹介:
短歌を書いています。
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